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疲労 (慢性疲労)

疲労は、大きく「身体的疲労(筋肉疲労)」と「精神的疲労(心的疲労)」に分かれますが、ここでは主に身体的疲労(筋肉疲労)の対処法について述べることとします。

原因(機序)

私たちは、過労、過度の運動等、肉体を酷使することによって、疲れ、ダルさなど、いわゆる疲労を感じます。
疲労が起こる機序については諸説あります。糖質やミネラル、ビタミン等のエネルギー源の減少、乳酸の蓄積による筋硬縮(緊張)、その他全身的な疲労としてケトン体、ウロビリノーゲンなどの代謝産物の蓄積等、様々な説が唱えられています。
また最近の研究では、活性酸素が疲労の原因と言われるようになり、抗酸化食品を摂取することで疲労回復が見込める事実を考えると、有用な説であると思われます。

対処法

◆ 休息と睡眠

一般的に、疲労回復の最も有効な手段として言われているのが休息と睡眠です。これについては特に説明の必要はないと思いますが、睡眠について幾つか留意点を述べるとすると、以下のようなことが挙げられます。

  • 適切な枕の高さ
  • 口呼吸をなくす
  • 適度な睡眠時間 (7〜8時間)  ※食事や運動、日光浴の有無等によって、睡眠時間は変わります
  • 22:00前には眠る (遅くとも24:00前迄に)
  • 日中適度に体を動かし、日光を浴びる
  • 楽しいことを考えながら(幸せな気持ちで)眠る

◆ 食事と呼吸 〜 エネルギー源の摂取

疲労回復及び疲れにくい体をつくるには、食事も重要な要素となります。上述した通り、疲労の要因の一つとして活性酸素が考えられていますし、エネルギー源としてのミネラルやビタミン類の喪失も疲労の要因となります。
従って、活性酸素を除去する抗酸化物質や、適量のミネラル、ビタミンを含む食事を心がけることも疲労回復、そして疲れにくい体を作るには必要不可欠なことです。食事のあり方の詳細については「木の香通信(創刊号) 食事と健康」に掲げますが、このような食事を取ることで、かつての日本人(飛脚など)は、1日に何十キロに亘る行程も踏破することが出来ました。
なお砂糖やお菓子等の精製・加工食品、植物油脂(トランス脂肪酸、化学薬品により植物を溶解させる製法で作った安価な植物油)の摂取を控え、食事はよく噛んで少食にするだけで、体調は随分と良くなります。

呼吸(酸素)は活性酸素を生み出す一方、生命の営みに必要不可欠な要素ですし、人体の重要なエネルギー源であるATPを産生するのにも必要です。従って、日に何度か深い呼吸を行うことは、疲労回復のみならず、健康な体を維持するのに大切な生活習慣となります。
呼吸法は様々なやり方が提唱されていますが、自律神経の調整や内臓のマッサージに大きな効果を発揮する丹田呼吸も優れた呼吸法の一つです。具体的な方法については、「ナプフリへの道」(ダイジェスト版)の1ページ目下部をご覧下さい。

◆ ニガリ風呂

マグネシウムは、体内の325種類以上にも及ぶ酵素を制御しており、身体のほとんどの生理活動、即ちエネルギー(ATP)の産生・搬送・貯蔵・利用、細胞の新陳代謝(修復、生まれ変わり)、神経作用の調整、神経筋伝導、筋・血管収縮調整等に関して、重大な役割を担っています。従って、マグネシウムが不足すると、あらゆるタイプの疾病(症状)を発症しうる可能性がありますし、また細胞の代謝が低下するので、当然疲労も表れやすくなります。
アメリカのキャロリン・ディーン博士によると、極度の疲労症状(信じがたいような疲労困憊状態)を伴う慢性疲労性症候群において、幾つかの研究で、マグネシウムの投与が良い効果をもたらしていると述べられています。

普段から、マグネシウムを含めたミネラルを多く含む食材の摂取を心がければ、不足の問題は生じないと思いますが、砂糖や小麦粉、スナック菓子、冷凍食品等の精製・加工食品、添加物や農薬を含んだ食事が氾濫する現代においては、必要量のマグネシウム摂取は難しいでしょうし、また添加物や農薬の代謝(解毒)に必要以上のマグネシウムが消費されてしまいます。

そこで、これを補う手段として、ニガリ風呂があります。ニガリはお豆腐を作る材料として使われますが、マグネシウムを含め人間が必要とするミネラルを多く含んでいます。
昔ながらの塩作りの過程で出来る天然の(イオン交換膜法等により工業的に製造されたものではない)ニガリを200ml程(大さじ1〜2杯でも効果があると言う話も聞きます)、湯船に居れ、20〜30分程半身浴をします。すると、マグネシウムを含めニガリの微量元素が経皮吸収されます。
(個人差はありますが)1週間〜1ヶ月くらい経つと、体調の変化が表れ、疲れにくくなってきます。

なお、ニガリは内臓を固めるので良くないとする意見を聞くこともありますが、これは科学的に全く根拠がなく、内臓が固まることなどあり得ません。難しくなるので説明は省きますが、興味のある方は東京慈恵会医科大学助教授 横田那信 著「マグネシウム健康読本」(現代書林発行)をご覧下さい。
横田博士は、糖尿病治療にニガリを用い、良い治験を得られています。